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「1」って素数?素数の不思議な世界に迫る!具体例と求め方を解説!

数学は私たちの日常生活においても重要な役割を果たしています。その中でも素数は、中学生や高校生の皆さんにとって特に興味深いトピックです。素数は実は小学5年生で習うのですが「素数」と聞いてどんな数なのかすぐに説明できますか?意外と忘れちゃってたりしますよね。
今回は、素数とは何か、具体的な例や求め方、見分け方についてわかりやすく解説します。さあ、素数の世界を一緒に探検してみましょう!

1. 素数の定義と基本性質

素数とは、1と自分自身以外の約数を持たない自然数です。つまり、他の数で割り切れない特別な数字なのです。例えば、2、3、5、7、11などが素数です。一方、4や6のように他の数でも割り切れる数は「合成数」と呼ばれます。

「1」は素数なのでしょうか?「1」は素数ではありません。「1」を素数に含んでしまうという間違いがよく発生します。上で説明している「1と自分自身以外の約数を持たない自然数」という条件を「約数を2つしか持たない自然数」と置き換えて考えてみると、「1」は約数が1の1つしかないためこの条件に当てはまりませんね。つまり「1」は素数ではないということになります。

素数の基本性質として、以下の特徴があります。

<無限性>
素数は無限に存在します。つまり、どんなに大きな自然数を考えても、新たな素数が必ず見つかるということです。

<唯一性>
素数は、それ自体と1を除いて他の素因数を持ちません。例えば、15の素因数は3と5ですが、それぞれは素数です。このように、合成数は素因数分解によって素数の積として表すことができます。

2. 素数の具体例と求め方

素数を具体的な例とともに見てみましょう。

2は最も基本的な素数です。素数は奇数である必要はありません。3も素数です。2と同様に、他の数で割り切れず、1と自分自身以外の約数を持ちません。
このように考えていくと100までの自然数の中で素数となる数は
2・3・5・7・11・13・17・19・23・29・31・37・41・43・47・53・59・61・67・71・73・79・83・89・97
の25個です。(くどいようですが、「1」は素数ではありません……)
11や13くらいまでなら覚えている人も多いと思いますが、素数には決まった順番があるわけではないのでそこから先は一つ一つ考えて素数か素数ではないかを判断しなければなりません。ちょっとめんどうな感じがします。

素数を求めるためのいくつかのアプローチはありますよ。

①試し割り法

最も一般的で実用的な確認方法です。「1と自分自身以外の約数を持たない自然数」という素数の条件を反対にして考えると、「1と自分自身以外で約数があればその数は素数ではない」となります。つまり他の数字で割り切れたら素数ではないということです。調べたい数字を2で割ったり3で割ったりして割り切れたらその数は素数ではないんです。

割り切れるかどうかの確認のための豆知識!

2の倍数→1の位が2の倍数(偶数)
1の位が2の倍数(偶数)ならばその数は2の倍数となり素数ではありません。(「2」は素数なので注意)

3の倍数→各位の数の和が3の倍数
例えば123という数字は1+2+3=6となり6は3の倍数なので123も3の倍数となります。つまり各位の数の和が3の倍数となればその数は素数ではありません。(「3」は素数なので注意)

5の倍数→1の位が0か5
1の位が0か5の数は5の倍数です。つまり1の位が0か5の数は素数ではありません。(「5」は素数なので注意です)

実際の計算でもよく使う知識なのでぜひ覚えておいてくださいね!

②エラトステネスの篩(ふるい)

エラトステネスの篩は、一定範囲内の素数を見つける方法です。今から約2000年前、古代ギリシャにエラトステネスという数学者が発明しました。数学の教科書に載っている場合もあります。例えば1~100までの数字で素数を見つける具体的な手順は次の通りです。

 

Ⅰ.1~100の数をあげてみる

 

まずは1~100までの数字を表にして並べましょう。

Ⅱ.倍数を消していく(ふるい落としていく)
ⅰ)まず素数の定義から「1」は素数ではないので消します。

 

ⅱ)次に素数である「2」を残して2の倍数を消します。
縦線を入れるだけなので簡単です。

 

ⅲ)同様に素数である「3」を残して3の倍数を消します。
これもきれいに斜め線を入れるだけなので簡単です。

 

ⅳ)4の倍数はⅱで消しているので素数である「5」を残して5の倍数を消します。
縦線2本です。10の倍数はⅱですでに消していますが表として見やすくするため今回はあえてもう1度消しています。

 

ⅴ)6は2×3となりⅱⅲですでに消しているので素数である「7」を残して7の倍数を消します。これもすでに消しているところもあえてもう1度消しています。バラバラなように見えて規則的に並んでいるのがわかりますね。

 

操作はここまでで完了です。この操作をどこまでやればいいのかというと、調べる範囲の数の最大値をnとすると、2乗した数がnを越えない素数までです。

今回のように1~100までの場合だと、7×7=49で、7の次の素数である11だと11×11=121となり100を超えます。つまり7までの素数2,3,5,7の倍数を消していけば残った数が素数です。

Ⅲ.ふるい落とされなかった数は素数となる。
この手順でふるい落とされなかった数字が素数です。

3. 素数はどんなときに出てくるのか

素数の意味や見つけ方を説明しましたが、実際にどういうときに使うのでしょうか。計算として出てくるのは中学生で習う「素因数分解」や「平方根」の単元です。それぞれどんな内容なのか解説します。

①素因数分解

素因数分解は、与えられた数を素数の積に分解する方法です。中学1年生で学習しその後中2中3、そして高校数学までずっと必要な知識です。具体的な手順として、約数を探し、最初の素数から順に割っていくことで素因数分解を行います。また、具体的な問題例を解くことで、素因数分解の応用力を高めることができます。

例として、「24」という数を素因数分解してみます。
まず、24の約数を探します。24の約数は1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24です。
最初の素数である2で割ります。24 ÷ 2 = 12 となります。
次に、12を素数で割ります。12 ÷ 2 = 6 となります。
さらに、6を素数で割ります。6 ÷ 2 = 3 となります。
最後に、3は素数ですのでそのまま残します。
結果として、24 = 2 × 2 × 2 × 3 となります。
計算式として素因数分解をするとこのような感じになります。

②平方根

平方根は中学3年生で習う単元です。2乗してaになる数をaの平方根といいます。例えば2乗して25になる数は5(5×5=25)と-5((-5)×(-5)=25)です。つまり25の平方根は「5と-5」となります。この単元では2乗の計算やその数字がよく出てきます。さらに平方根を用いた加減乗除の計算では素因数分解の計算が必要不可欠となっています。

この単元では平方数(2乗した数)が頻繁に出てくるのである程度は暗記しておくといいでしょう。1~9までの2乗は九九の中で出てくるので覚えていると思います。10の2乗も100になるのはすぐにわかりますね。ここでは11~20までの2乗についてまとめておくので興味のある人はぜひ覚えてみてください。

11×11=121
12×12=144
13×13=169
14×14=196
15×15=225
16×16=256
17×17=289
18×18=324
19×19=361
20×20=400

この中でも特に11、13、17、19つまり素数の2乗は暗記しておくことをおススメします。素数ではない数字は前に述べた素因数分解を利用すれば2乗の数であることを求めることができます。

例えば144を素因数分解してみると

となります。これの の部分を少し工夫してこのようにすると、

となり、144は12の2乗であるということが計算で求められます。しかし素数の2乗の場合はその数自身でしか割る数がないので2や3で割る素因数分解ができません。例えば169は13×13にしか分解できないので数字を暗記していなければ という答えはなかなか導き出せません。

4. まとめ

素数は数学の中でも特別な存在であり、その不思議な性質やパターンには数学者たちも魅了されてきました。具体的な例や求め方、見分け方を学ぶことで、数学の世界を楽しむことができます。また、素因数分解は数学の基礎となる重要なテクニックであり、数学問題や実際の応用において役立つものです。素数の性質やパターンを探求することで、中学生や高校生の皆さんの論理思考や問題解決能力が向上するでしょう。さらに、素数は暗号学や数学の難問など実際の生活や研究にも応用されています。数学の学習において、素数の世界をぜひ探検してみたいですね!自分自身で素数を見つけたり、素数の特性について考えたりすることで、数学の面白さを体感することがきっとできますよ!