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筑修コラム

第9回 EdTech(エドテック)を知ってますか?


 エドテックとはEducation(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語です。IT技術が急速に進歩する中で、これを活用して新しい教育の形を作り出そうという試みをエドテックと呼んでいます。既に学校や身の回りにもエドテックによる新しい学習が取り入れられています。例えば、授業動画をDVDやインターネット経由で好きなときに視聴して学べるシステムもエドテックの一つですし、家庭用のタブレット学習やその他のeラーニングもエドテックに含まれます。インターネット経由では、海外のネイティブスピーカーと直接映像通信でつないだ英会話学習もあります。膨大な教材データベースから必要なプリントが手軽に出力できる教材もエドテックです。

さらに最近では、AI(人工知能)を教育分野に取り入れる動きが加速しています。AIを搭載した学習システムでは、学習者がこれまでに解いてきた問題の正解・不正解をすべて記憶していて、学習者一人ひとりの「間違いの傾向」や苦手分野を分析し、その対策のための解説や練習問題を自動的に提示してくれるものもあります。

AI学習では学習者一人ひとりの理解状況に合わせて学習を進めることができます。得意な分野はさっさと進めて、苦手な分野にはじっくり時間をかける。AIによる分析でこうした効率化を強力に実現した結果、3年かかるとされた数学の学習内容を9カ月間で学び終えたという事例も紹介されています。集団クラスで足並みをそろえる学習では決して実現できない成果です。

「個別最適化」が大きなメリット

 エドテックにより最も大きく変化する部分は、学習の「個別化」だと言われています。昭和の時代に学校生活を送った人間が思い浮かべる授業風景は、黒板を背に先生が教えて生徒がそれをノートに書きこむという姿です。しかしこれは江戸時代の寺子屋の教育からほとんど変わっていないもので、それが平成の時代まで続いてきたのはある意味驚くべきことです。



 このような寺子屋型一斉授業の弊害は、一つの教室に様々な個性を持った生徒を入れて画一的な指導を行いがちになることです。ある分野の理解ができている子もできていない子も同じような説明とペースで学習が進みます。理解できている生徒は時間を持て余し、理解できていない生徒は十分な指導が受けられない。とても非効率な状態です。しかしこれは生徒の数と教員の数を考えればやむを得ないことでもあります。生徒数に限りなく近い人数の教員を用意しなければ一人ひとりに合わせた指導を実現することは難しいからです。



それに対して一人の教員でも集団の生徒に対して一人ひとり異なった学習を与えることを可能にしたのが近年のIT技術の進歩です。授業を動画にすることで生徒は必要な授業を個別に視聴することができます。教材をデータベース化することで、それぞれの生徒ごとのタイミングで必要な練習問題を取り出すこともできます。採点も機械に任せることができます。間違った生徒には解説や追加の課題を自動的に与えることができます。このような技術の組み合わせで隣同士に座っている生徒が全く違う学習を進めることが可能になるのです。このような学習の状況を「個別最適化」あるいは「アダプティブラーニング」と言います。一人ひとりの生徒にとって最適な指導が提供されるということです。

またこのような変化に合わせて「先生」の役割も変わってきます。知識の定着や技術の習得は機械に任せて、思考力やコミュニケーションを高める学習に集中することができます。アクティブラーニングが注目されているのもこのような変化があってのことなのです。

経済産業省がすすめる「未来の教室」

 興味深いことに、エドテックを強力に推し進めているのは文部科学省ではなくて実は経済産業省なのです。経済と産業の発展にかかわる役所である経済産業省は2018年から「『未来の教室』実証事業」の取り組みを進めています。これは「2030年ごろの普通の学び方」をデザインしようというプロジェクトで、「学習者を起点とした教育システムの構築」を目指しています。学習者を起点とするとは、一人の子ども自身が感じた疑問や好奇心を学習の出発点にするということでもあります。当然子どもの興味関心は千差万別ですから、学習も個別的にかつ効率的に進まなければなりません。その実現を可能にするのがエドテックです。

 経済産業省がこの事業を推し進める背景には、エドテックの担い手の多くがスタートアップと呼ばれる、これまで世の中に存在しなかった商品やサービスを生み出そうとしている民間企業であることが関係しています。IT技術を活用した新たな教育サービスを産業の活性化に役立てようという考えがあります。また、エドテックは特にアメリカや中国で目覚ましく普及しています。エドテックと関連して注目されている言葉に「STEAM教育」がありますが、これはScience(科学)Technology(技術)Engineering(ものづくり)Art(芸術)Mathematics(数学)の頭文字を合わせた造語で、これら5つの領域を重視する教育を意味しています。第4次産業革命とも呼ばれる急激なICT技術の変化の中で、社会に必要とされる人材の質も変化しています。ここで必要とされるのは「STEAM教育」で培われる力だというのです。このような世界的な環境の変化に日本が乗り遅れないためにも、教育分野の変革が不可欠であるという考えもあるのでしょう。

 皆さんはコアゼミにたくさんのエドテックが取り入れられていることにお気づきですか。新しい時代の担い手を育成するには旧来の「集団型授業」ではなく「個別最適化」を目指した新しい教育手法が必要だと私たちは考えています。

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