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筑修コラム

第5回 「ほめる」の効用


前回あったように、子どもたちを取り巻く環境はなかなか大変です。「教育改革」のもと、「新しい学力」や「クリティカルシンキング」を求められつつも、基礎学力の充実が必要で、そのためにも子どもたちのモチベーションを引き出す「コーチング」が必要になるわけです。今回は「コーチング」の別の側面である「ほめる」ことの効用について取り上げます。

子どもたちは「承認されたい」

そもそも、なぜ「ほめる」のでしょうか。「そんな小さい子じゃあるまいし、いちいちほめても……」と思われる方もおられるかもしれませんが、その場その場で「かけがえのない存在である」と承認され、受容されることによって、子どもたちは自尊感情や自己肯定感(セルフエスティーム)を獲得します。特に、「重要な他者」とされる家族や親しい友人、先生との関係では重要になりますし、最も根本的な人間関係である「親子関係」においてはなおさら重要です。

このことは子ども時代に限定されるものではありません。アメリカ合衆国の心理学者、アブラハム・マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、自己実現のためには、自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める「承認の欲求」が満たされることが必要であると説いています。自己実現は一生涯の課題であるだけに、「承認すること」は人生の根本にかかわりかねない重要事項のようです。

自己肯定感(セルフエスティーム)を高めるためには?

国際比較をすると、日本の現代の子供たちは、例年このセルフエスティームが低いです。セルフエスティームが低い子ほど「どうせ~」「むり」「できない」「やってもむだ」というような否定的な発言が多くなり、学習面でも生活面でも十分な力を発揮できません。

ここで、子供のセルフエスティームを高めるための方法は6つあります。
1.肯定的に認めてほめる
2.できていないところを叱るのではなく、できているところの事実を認める
3.「ありがとう」といわれる体験を実感させる
4.笑顔をもらう体験を実感させる
5.愛されている大切にされている実感を持たせる
6.マイナス思考をプラス思考にするように言葉がけする

これら1から6を「プラスのストロークバンク」と言います。「バンク」とは銀行を意味するので、プラスの感情体験を貯金しておける銀行という意味になります。そして、たとえつらいことがあっても、プラスの感動体験の貯金がたくさんある子どもは、プラスの感情体験を引き出して、なんとか耐えていける、ということです。

そして、先ほど述べたように、健全なセルフエスティームの形成には、それぞれの子どもがその成長過程で出会う「重要な他者」から尊敬・受容・関心のあるかかわり方を受けることが必要です。その意味では、勉強のみならず、行動面や性格面、部活、人間関係、家族関係など様々な場面で、子どもの良いところを積極的に見つけてきちんと「ほめる」・「認める」ことが重要になります。

じゃあどうほめれば……

そうすると、「これまで特に意識していなかったけどどうすればいいの?」と疑問に思われる方もおられるかもしれません。これまで「叱咤激励」のような言葉がけをしていると、やはり「照れ」や「戸惑い」などがあると思います。
そこでおすすめなのが、「いいね」という言葉かけです。もちろん何でも「いいね」と言えば良いわけではありませんが、少しまじめになっている姿や頑張っている姿を言葉にして、「ああ、今から勉強するんだ(事実を認めることば)。いいね!」とただ見た事実に「いいね」を付け加えてみてください。無理にほめようとして良いところを探そうとすると、かえって「何でいつも宿題の取り掛かりが遅いんだろう・・・?」など、逆に心配になりかねません。そうではなく、「プラス思考」を心がけて、「あ、きちんと宿題に取り組んでいるんだね。いいね。」と余裕を持った言葉がけを心がけるとよいでしょう。
その上で、子どもが頑張ったことや、やり遂げたことはしっかりと「ほめる」。そんなメリハリをつけたほめ方が非常に効果的です。

こうした言葉がけを重ねることは、子どもにとっても「自分は認めてもらえている」・「自分は信頼されている」ことを実感させる効果を持ちます。なぜなら、学校などで周りの大人達から「頭ごなしに怒られる……」というネガティブな経験を重ねがちな子どもたちにとって、こうした言葉がけは非常に新鮮で魅力的に映るからです。「第二反抗期」に差しかかった子どもの場合は特にあてはまると思います。こうした感覚がさらに自己肯定感を高めるといった相乗効果も期待できるでしょう。

もちろん、このような取り組みは一朝一夕で効果を出すことはなかなか難しいものです。しかし、持続的に取り組むことで非常に高い効用を持つ取り組みが「ほめる」ことだと言えるでしょう。

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