突然ですが、皆さんは学校や塾で勉強するときの「姿勢」を意識していますか?
背筋が曲がっていたり、足を組んでいたり、机に肘をついていたり……。勉強に集中するあまり、いつの間にか姿勢が崩れている人も多いのではないでしょうか。
長時間勉強するときには、できるだけ身体に負担の少ない姿勢を心がけることが大切です。
椅子にはお尻をしっかりと入れて座り、背中を立てる。足は床につけ、頭が前に出すぎないようにする。
最初は少し窮屈に感じるかもしれません。しかし、正しい姿勢を続けていれば、次第にその姿勢のほうが自然になっていきます。
そして、勉強するうえでもう一つ、そろそろ意識してほしいことがあります。
それが、「文字」です。
特に中学生は、この時期になると定期考査などでも、文字が判読しにくいことで減点につながる場面が増えてきます。
もちろん、これは「字がきれいかどうか」を評価しているわけではありません。
入試の答案では、採点する人が書かれた文字を正しく読み取れなければ、正解として扱うことができません。だからこそ必要なのは、美しい文字ではなく、誰が見ても正しく読み取れる文字なのです。
公立高校入試では記述式の問題も多くあります。また、大学入試でも、国公立大学の二次試験をはじめ、記述式の答案を書く機会があります。
「自分はこう書いたつもりだから、分かってもらえるはず」
ではいけません。
たとえば、「1」と「7」、「r」と「n」などが区別しにくくなっていないでしょうか。文字を崩しすぎて、自分以外の人が見たときに迷ってしまうような書き方になっていないでしょうか。
片肘をついたまま片手で文字を書き、文字全体が大きく斜めに傾いている、というのもよく見かけます。怠けた結果として酷いものが出来上がった場合、どこを評価して欲しいのでしょう。
ここで大切なのは、「もっときれいな字を書こう」ということではありません。
「自分には読める」から「相手に正しく読んでもらえる」へ。
この意識を持つことです。
文字も「伝える」ためのもの
そもそも、文字は何のためにあるのでしょうか。
自分の考えや情報を、相手に伝えるためのものです。
話し言葉も同じです。
私たちは、自分の頭の中にあることを相手に伝えるために言葉を使います。だからこそ、自分だけが分かればいいというものではありません。
例えば、簡単な要件を伝えただけなのに、相手から何度も「これはどういう意味?」「○○ということ?」「△△でいい?」と質問され、そのたびに「はい」「いいえ」と答えているとします。
その場合、相手が質問を繰り返すことで、ようやくこちらの伝えたかった内容が形になっているのかもしれません。
つまり、自分が伝えたつもりでも、実際には相手に内容を引き出してもらっているわけです。
これは話し言葉に限ったことではありません。
書き言葉でも、そして文字そのものでも同じです。
「自分には分かる」という基準ではなく、「初めて見る人にも正しく伝わるか」という基準で考える必要があります。

普段の習慣が、本番につながる
最近は、読解力の低下が話題になることもあります。一方で、自分の考えを相手に分かるように説明したり、文章にまとめたりする力の不足は、決して最近になって突然生まれた課題ではありません。
そして、こうした「伝える力」は、入試直前になって急に身につくものでもありません。
だからこそ、普段から少しずつ意識する必要があります。
「自分が分かればいい」ではなく、「相手に正しく伝わるだろうか」と考えること。
これは、入試だけの話ではありません。
姿勢も、文字も、話し方も、文章も、すべては相手とのコミュニケーションです。
美しい字を書くことを目標にする必要はありません。
まずは、相手が迷わず読める文字を書く。相手が一度で理解できるように伝える。
そんな「相手に伝える姿勢」を、普段の勉強の中から身につけていってほしいと思います。
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