現役減・既卒という出願状況
2026年度(令和8年度)大学入学共通テストの出願受付最終日(2025年10月3日午後5時現在)
の出願総数は49万1,272人となり、前年度同時期より6,704人増加しました。
しかし、この数字の内訳を見ると、驚くべき変化が起きています。
現役生が6,131人減少する一方で、既卒生が1万2,835人も増加したのです。
この「現役減・既卒増」という状況は、何を意味しているのでしょうか。
詳しく分析していきます。

出願者数の詳細な内訳
2026年度(令和8年度)出願状況【10月3日17時現在】
- 出願総数:49万1,272人(前年比+6,704人)
内訳:
- 高等学校等卒業見込者(現役):41万6,965人(前年比-6,131人)
- 高等学校卒業者等(既卒):7万4,307人(前年比+12,835人)
※2026年度の確定志願者数は12月上旬に発表予定のため、現時点では出願受付最終日時点の数値となります。
現役生が減少した要因
現役生が前年比6,131人減少した主な要因は、やはり少子化による18歳人口の減少が一番でしょう。
2025年度は18歳人口が前年よりわずかに増えて約112万人だったため、共通テストの現役生出願者数も2024年度よりも増加しました。
しかし、2026年度以降は18歳人口は毎年減少してくため、共通テストの現役生志願者数も減少の一途をたどることになります。
既卒生が1万人超も増加した理由を分析
注目すべきは、既卒生が前年比1万2,835人増(約19.8%増)という大幅な増加です。
この増加には、複数の要因が絡み合っていると考えます。
1. 昨年度の浪人生が多かった影響
2025年度入試は新課程初年度という大きな節目でした。
新課程では「情報Ⅰ」が新設され、出題科目が大きく変わったため、
受験生は以下のような心理的プレッシャーを抱えていました。
- 「新課程初年度は様子見で、浪人しても翌年の方が対策しやすいのでは」
- 「新課程の難易度が読めないため、無理に受験するより1年待つ方が安全」
こうした心理から、2025年度入試で浪人を選択した受験生が例年より多かった可能性があります。
その結果、2026年度の既卒生志願者数が増加したと考えられます。
2. Web出願の完全導入による参入障壁の低下
2026年度から共通テストは完全Web出願となり、
これまで必要だった卒業証明書の提出が不要になりました。
この変更により、以下のような「純粋な浪人生ではない出願者」も増加した可能性があります。
予備校講師・教育関係者の出願増
- 問題分析目的の予備校講師:最新の出題傾向を肌で感じるため実際に受験
- 教材作成のための塾講師:リアルな試験体験を教材に反映
- 入試研究のための高校教員:生徒指導に活かすため自ら受験
従来は卒業証明書を取り寄せる手間とコストがかかったため、このような「研究目的の受験」は少数でした。
しかし、Web出願によりメールアドレスと検定料だけで出願可能になったことで、増加したと推測されます。
社会人や生涯学習目的の出願者
- 大学再受験を検討する社会人:現在の実力を測定するための腕試し
- 学び直しを考える既卒者:自己の学力確認
- 単純に受験してみたい人:出願の手軽さから興味本位で受験
Web出願による手続きの簡略化は、このような「多様な動機を持つ受験者」の参入を促したと推測されます。
3. 経済的要因と浪人のハードル低下
近年、オンライン予備校や映像授業の普及により、
従来の予備校に通うよりも低コストで浪人できる環境が整っています。
- スタディサプリなどの月額制オンライン学習サービス
- YouTubeでの無料講義動画
- 参考書・問題集の充実
こうした環境の変化により、「浪人=高額な予備校費用」という図式が崩れ、
浪人を選択しやすくなった側面もあるのではないでしょうか。
まとめ:2026年度共通テスト出願状況が示す3つのポイント
ポイント1:現役生の減少は少子化の影響
- 前年比6,131人減(約1.5%減)
- 18歳人口の減少が主な要因
- 2027年度以降も減少傾向が続く見込み
ポイント2:既卒生の大幅増加は複合的要因
- 前年比1万2,835人増(約20.9%増)という異例の増加
- 新課程初年度の影響で昨年度浪人を選んだ受験生が多い
- Web出願・卒業証明書不要による参入障壁の低下
- 教育関係者や社会人などの「非伝統的受験者」の増加
ポイント3:共通テストの性格変化
- 「大学入試」から「開かれた学力測定の場」へ
- 多様な受験動機を持つ人々の参加
- 生涯学習社会における新たな役割
今後の展望:変化し続ける大学入試
2026年度の出願状況は、日本の大学入試が大きな転換点を迎えていることを示しています。
予想される変化
- 18歳人口減少の継続:現役生の志願者は構造的に減少
- 既卒生の多様化:従来の「浪人生」概念の変容
- 出願方法の影響:手続きの簡便化が受験者層を変える
大学・予備校への影響
- 大学:多様な受験者層に対応した選抜方法の検討
- 予備校:データ分析の重要性増大(講師自身が受験するケースも)
- 高校:生徒指導における新たな視点の必要性
確定志願者数は12月上旬に発表予定ですが、この「現役減・既卒増」という傾向が今後どのように推移するのか、注目していく必要があります。
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このブログはこんな人が書いています!
森 駿介
筑紫丘高校→九州大学理学部数学科卒業
塾講師歴11年 筑紫修学館歴12年