中学生・高校生の皆さんは学校で英語の授業を受けていると思います。
保護者の皆様の中には、英語を勉強されている方もいらっしゃるでしょう。
私が英語を教えていてよく受ける質問の一つに
「なぜinterestedやsurprisedの文章は、日本語訳は受身じゃないのに英語は受身の形になっているの?」
というものがあります。
実は日本語と英語では物事の捉え方に違いがあり、能動(~する)と受動(~される)の差が生まれるのです。
今回は、日本語と英語における「物事の捉え方の違い」を紹介してみようと思います

「interest」から見える世界観
英語の interest の例を見てみましょう。
どちらも、能動に揃えて考えてみますね。
- ・英語: This book interests me.
- ・日本語: 「私はこの本に興味がある。」
主語と動作の対象が完全に逆になっていますね。
- ・英語では本が私に「興味を持たせる」
- ・日本語では私が本に対して「興味を持つ」
つまり、英語は外からの働きかけを描き、日本語は内面の心の動きを描くのです。
「surprise」の場合は?
似たような例として surprise が挙げられます。
こちらも能動に揃えて書くと
- ・英語: The news surprised me.
- ・日本語: 「私はそのニュースに驚いた。」
ここでも同じ違いが表れていますね。
- ・英語:ニュースが私を「驚かせた」
- ・日本語:私がニュースに対して「驚いた」
英語では「驚かせる」という外部からの作用が能動的に語られ、日本語では「驚く」という内側の反応が中心になります。
この違いを意識すると、「なぜ英語では受身になるの?」という疑問も自然に解決します。
日本語的な感覚を持っていると、驚くのは人の内面の反応なので人を主語にしたくなりますが、
英語的な感覚では 「人を驚かせる物事」が主語になるのが普通なのです。
他の動詞でも見える「外 vs 内」の違い
同じパターンは他にもあります。
- The idea pleased her. → 「彼女はその考えを気に入った。」
- The sound scared the child. → 「子どもはその音に怖がった。」
英語は「事物・出来事」が能動的に人に作用する形で表現されるのに対し、
日本語は「人がどう感じたか」という内的な動きを描きます。
なぜこの違いが面白いのか?
こうした違いは単なる文法ではなく、世界観の差 でもあります。
- ・日本語:人の心を中心に世界を描く
- ・英語:出来事や物事の働きを中心に世界を描く
つまり、日本語は 「心の動きを映す鏡」 のような言語であり、
英語は 「事物の作用を描くカメラ」 のような言語だといえるでしょう。
この違いを理解すると、英語と日本語は別の視点から世界を切り取るものだと分かってきます。
まとめ
- ・interest: 英語「本が私を引きつける」⇔日本語「私は本に興味がある」
- ・surprise: 英語「ニュースが私を驚かせる」⇔日本語「私はニュースに驚いた」
どちらも同じ状況を表しているのに、
英語は外からの働きかけ、日本語は内からの心の動き
という違いがくっきり見えてきます。
語学学習をするときには、単語や文法を覚えるだけでなく、
こうした「世界の切り取り方の違い」を意識すると、もっと深く楽しめるようになりますよ!
ちょっとした補足
今回の記事の中では能動態に揃えましたが、実際の英語では人間を主語にすることが多いようです。
私はこの本に興味があります。→I am interested in this book.
私はそのニュースに驚きました。→I was surprised at the news.
彼女はその考えを気に入った。→She was pleased with the idea.
子供はその音に怖がった。→The child was scared of the sound.
また、受動態と言えば「~によって」をbyで表すのが基本ですが、
これらの動詞ではby以外の単語が使われているというのも面白い(そして覚えるのが面倒な)点の一つですね。
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このブログはこんな人が書いています!
森 駿介
筑紫丘高校→九州大学理学部数学科卒業
塾講師歴11年 筑紫修学館歴12年