皆さん、こんにちは。
筑紫修学館小郡大保校の森です。
本日も小郡大保校の校舎ブログをご覧いただきありがとうございます。
「宿題が終わったらゲームを1時間してもいいよ」
「テストで90点とれたらお小遣いあげるね」。
といった勉強に対するごほうび作戦、ご家庭でもよく見られるかもしれません。
一見、子どものやる気を引き出す良い方法に思えますが、2023年に発表れた心理学の研究では、
「ごほうび学習」が学力向上に逆効果になる場合がある
ということが指摘されています。
今回は、そんな最新の教育心理学の知見をご紹介しながら、
子どもが本当に勉強に向き合えるモチベーションの育て方について考えていきます。

外発的動機づけとは?ごほうびに頼る学習の仕組み
心理学では、「報酬や罰」で行動を促す方法を「外発的動機づけ(extrinsic motivation)」と呼びます。
これは一時的な行動促進には効果的です。
たとえば、
「ごほうびがあるから宿題をやる」
「怒られたくないから授業を聞く」
といった形で、短期的なやる気や行動につながりやすいのが特徴です。
しかし……
長期的には逆効果?やる気を「奪う」ごほうびのメカニズム
2023年にScienceDirectなどで報告された複数の研究では、
報酬によって内発的動機づけ(=本来自分がやりたいと思う気持ち)が弱くなる
ことが明らかになっています。
研究結果の概要
- ・外発的報酬が繰り返されることで、「勉強=やらされるもの」と感じやすくなる
- ・ごほうびがないとやらない状態に陥りやすい
- ・長期記憶や思考力の定着が弱くなる傾向がある
このように、「勉強が楽しい」「できるようになって嬉しい」といった
内発的なモチベーションが削られてしまうことが最大の問題です。
本当に成績が伸びる子の特徴は?
私も感じていることではありますが、実際の教育現場の人たちから、
次のような生徒の方が学力が安定して伸びやすい傾向があるという声が上がっています。
- ・自分で計画を立てて学習できている
- ・「できるようになりたい」という気持ちが強い
- ・ミスを冷静に分析し、次につなげることができる
- ・「なぜこの勉強をしているのか」を明確に意識できている
彼らは「自分のために学んでいる」という感覚を持っており、
ごほうびがなくても努力を継続できる力が備わっています。
ごほうびを完全否定する必要はない
とはいえ、「ごほうび=悪」と決めつける必要もありません。
研究でも、「行動のきっかけとしてごほうびを使うのは有効」だとされており、
以下のような活用法が推奨されています。
ごほうびの“効果的な”使い方
- ・勉強に慣れるまでの一時的な手段として使う
- ・行動そのものではなく、努力や姿勢を褒める形で使う
- ・少しずつごほうびの頻度や強度を下げていく
たとえば、
はじめは「1週間毎日単語帳を開いて勉強したらちょっとしたごほうび」
といった簡単なものから初めて、
「1週間毎日1時間以上勉強をしたらちょっとしたごほうび」
など、自律性を育てる形で段階的に使うのがコツです。
ちょっとしたごほうびの内容も、次の勉強につながる内容だとさらに良いです。
例えば、良い筆記用具を買うとか、カフェでの勉強を許可するといったものですね。
勉強のやる気を育てるには?
では、勉強のやる気を育てるにはどのような方法を取れば良いのでしょう?
教育現場でもよく使われる「内発的動機づけ」を高める声かけには次のような方法があります。
- ・「ここまで頑張った自分を褒めよう」と自己評価を促す
- ・「どの教科が面白かった?」「今日は何がわかった?」と対話する
- ・自分で「今日の目標」「一番大変だったこと」を振り返らせる
こうした声かけによって、子ども自身が「自分でやった」という実感を持てるようになり、
勉強への向き合い方が変わっていきます。
まとめ|ごほうびより大切な“学びの自信”
勉強に対するモチベーションは「外から与えられるもの」ではなく、「自分の中に育てるもの」です。
一時的なごほうびよりも、
「できた!」「わかった!」という経験を積み重ねていくことが、最強のやる気につながります。
我々も教育に携わる者として、そんな「自信の芽」を
育てるサポートをしなければいけないなと改めて感じました。
参考文献
ScienceDirect “The role of rewards in motivation—Beyond dichotomies”
ScienceDirect “Rewards and competition in education”
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このブログはこんな人が書いています!
森 駿介
筑紫丘高校→九州大学理学部数学科卒業
塾講師歴11年 筑紫修学館歴12年